2020/05/25

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緊急事態宣言は解除されたけど…
4月7日に発令された緊急事態宣言は、残された首都圏・北海道の特定警戒都道府県が今日で解除される見通しとなった。
これで新型コロナウイルス感染拡大の防止については、次の段階を迎えることになる。

ただ、私は現状をいささか不安視している。
というのも、人間の心理として、どうも「解除」ということばが独り歩きして、なぜか0・1理論というか、(発令の有無で)自粛するか否かという、極めて短絡的な発想に人々が陥っているのではないかと思われるからだ。
実際、発令解除を前にして、この週末、特定警戒都道府県も含めて、全国的に人出が増加し、湘南では大渋滞が発生していたというニュースもあるし、一気にタガが外れる状況になっている。

しかし、ここで考えてほしい。
緊急事態宣言が発令される前の、3月下旬から4月上旬を。
東京都知事が感染爆発寸前であり、極めて危険な状況であることを呼びかけ、外出自粛やイベント自粛など、いわゆる「3密」を控えるよう都民に呼びかけていたし、首都圏や関西で都府県間の移動を自粛するよう、すでに発令前に要請されていた。
つまり、解除というよりも、3月下旬から4月下旬のまだまだリスクのある状況は継続されるということだ。
このことを国民は見誤ってはいけない。

残念ながら、ことばというのは独り歩きする。
「解除」となれば、とにかく「解除」が独り歩きする。

今回の新型コロナウイルスの一連の対応を見ていて思うのは、政府・国行政当局の想像力の極めて深刻な欠如である。

例えば、いま問題になっているものの一つに、定額特別給付金の申請書においてチェック欄があるのだが、それが「給付を希望しない」人のチェックになっているそうで、しかしチェックしないと給付を受けられないかと勘違いしてチェックしてしまう人が続出しているという。
どうしてそんな誤解を生むような書式にしたのか、運転免許取得時の筆記試験にある引っ掛け問題かよ、と突っ込みたくなるが(すみません!わかりにくいたとえで)、この書式を考案した人の頭を疑いたくなった。
希望しない、という選択肢をつくるのであれば、「希望する、しない」を明確に選択させる書式にすれば良かったのだ。そして、チェックがなければ「希望する」と良心的に解釈するルールにすれば良い。

これ一つとっても、このような書式にしたら受け手はどのように受け止めるか、誤解は起こらないのか、初歩的な想像力の欠如と言えよう。

したがって、今回、政府も会見で言っているように、解除後も警戒を緩めてほしくないのであれば「解除」ということばは使ってはならない禁句だったのである。
むしろ、外務省が渡航制限をいくつかのレベルで分けているように、あるいは火山の注意情報も同様であるように、また、今回東京都などいくつかの自治体で独自にレベル分けした指標を設定しているように、4つのレベルに分けるなどして、それが「4」から「3」に「移行」した、という表現にすれば良かったのだ。
平時が「1」であるなら、まだ「3」なんだから、警戒しなければならない、という意識が生み出されるはずだ。

いずれにしても、とにかくここで気を緩めては元も子もなくなる。
ドイツや韓国で実際に起こっているような、再びのクラスター発生なども起こり得るだろう。

今夜はきっと居酒屋は満席になるかもしれない。
まだまだ起こってはならない「密」の光景が、そこら中で見られるかもしれない。
心配でならない。

あくまでもまだ警戒し、自粛すべきものは自粛する、そういうフェーズにあることを肝に銘じなければならない。


[WALK:-]

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