未来を創る人、今を創る人
私がかつてかっぺの代表を務めていた時、経営者向けのセミナーにも参加したこともあったのだが、その際、記憶に残っている講義が一つある。 いわゆる「リーダーシップ論」だ。 いまからおよそ20年前。
組織には3種類の人がいる。 1:ビジョンを描く人。但し、たいてい何を言っているのか、多くの人は理解できない。 2:描かれたビジョンをわかりやすく翻訳する人 3:翻訳されたものを活用して日々活かしていく人
人数は1が最も少なく、3が最も多い。 いわゆるピラミット型の構図になっている。
つまり、社長(代表者)は1であるべき、1がすなわちリーダーであるという考え方である。 これに私はいまでも賛同している。
目下、新型コロナウイルス禍によって、世界的な危機に陥っているが、同時に価値観、ライフスタイルの転換が極めて劇的に進みつつあり、いわゆる未来へ向けての時代の変わり目が来ているとも言えるだろう。
そんな中、大きく分けて、未来を創る人(語る人)、今を創る人(語る人)の2タイプの人たちがいる。
未来を創る人(語る人)は目立つが、激しい非難を受けることも多い。今そんなことを語っている場合か。わけのわからないことを言っているんじゃない、と。
今を創る人(語る人)は前者よりも目立たないが、今を支えている。
誤解してはならないのは、この2者は対立するものではない。 両方とも必要なのだ。 しかし、人間は自分の価値観、置かれた境遇など、自分の尺度ですべての物事を判断したがる。それが時に批判という行動も生み出す。
会社経営や人生を私はよく登山に喩えるのだが、登山において大切な視点は2つ。 行き先、目的地を見失わない、という大局的な視点と、目の前の一歩をしっかり見つめるという視点である。 その両方がなければ、方や目的地を見失い迷走するだろうし、方や目の前の一歩を踏み外し崖から転落してしまうだろう。
つまりは未来を創る人、今を創る人の両方が社会には必要だ、ということである。
どっちも尊い存在だし、どっちが偉いというわけでもない。 こういう時だからこそ、しっかりと自覚し、自分自身に与えられた役割を全うしたい。
[WALK:-]
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