主基斎田址御田植祭
午前中、鴨川市主基地区にある主基斎田址にて、御田植祭を御奉仕した。
令和への改元を奉祝し、明治天皇の際の大嘗祭にて卜選され、稲を献った主基斎田の歴史をいま一度見つめ直し、将来の世代を地域の誉れを守り受け継いでいこうと、地元有志の方々により発起され、実現にまでこぎつけたものである。 明治神宮神職、鴨川市長、地元市議など来賓も参列し、厳かな雰囲気の中、祭典は斎行された。
祭典では地元の女子児童が早乙女となり、御田植をしたほか、里舞の披露などがあった。
そもそも、鴨川市に一つの御代でただ一つしか選ばれない主基田が存在していることを当の地元の人たちがあまり知らない。 これまで毎年抜穂祭は8月に細々とつながれてきてはいた。 新しい天皇が即位するに当たって行われる大嘗祭では主基田と悠紀田がそれぞれ1ヶ所ずつ選定される。明治天皇の際に主基田が鴨川に選ばれたのだ。これは卜占によるものであり、誘致活動をしたからと言って選ばれるものではないのだ。 神々の御心によるものであり、実は本当にすばらしく、ありがたいことなのである。
ちなみに、明治天皇の悠紀田には甲府市が選ばれていたが、近年までそこでは稲作が途絶えていたところ、甲府市では地元の人たちが立ち上がり、悠紀田での稲作を復活させた。 鴨川市では明治の御代から脈々と稲作は続けられ、長狭米で醸された亀田酒造の御神酒は毎年明治神宮に献納されている。つまり、歴史が生きて伝えられているのである。
令和という時代に突入していく中で、これからも未来永劫、子々孫々に守り伝えていきたい地域の誇りであり、今回の祭典をきっかけにまずは地元の人たちがその事実、価値に気づいてほしいと思う。
この祭典を実現するまでに、関係者にはただならぬ御苦労があったと伺っている。 数々の苦難を乗り越えて、今日の祭典斎行にこぎつけた、関係者の御努力に最大限の敬意を表したい。 今日の五月晴れの天気が神々の御心を表してもいると思う。
ただ、今回の祭典は決してゴールではない。 地域の伝統文化を受け継いでいくためのスタートでもある。 地元で奉職する一神職として、今日が主基斎田の価値が再認識され、地域の歴史がしっかりと紡がれていく一つの節目となることを願ってやまない。
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主基斎田址に立てられた記念碑 SP-100EE 4.30 mm ISO125 1/1600 sec f/3.2
御田植用の“斎田” SP-100EE 4.30 mm ISO125 1/500 sec f/2.9
早乙女たち SP-100EE 6.20 mm ISO125 1/400 sec f/3.8
記念碑の前で祭典を斎行した SP-100EE 4.30 mm ISO125 1/800 sec f/2.9
早苗 SP-100EE 35.10 mm ISO200 1/125 sec f/5.9
うちの子どもたちも参列した SP-100EE 4.30 mm ISO125 1/1000 sec f/2.9
幻想的な里舞 SP-100EE 30.40 mm ISO125 1/320 sec f/5.7
五月晴れの最高の天気だった SP-100EE 4.30 mm ISO200 1/500 sec f/8.4
主基斎田址 SP-100EE 4.30 mm ISO125 1/400 sec f/8.4
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