台湾3日目 魂の130km
1時間ほど眠りにつき、午前6時半過ぎに起床。 朝起きると、瀬戸川さんが一言。 「今日は応援にまわります」 やはり第1の目標であった390kmを達成して、もう精根尽き果てた模様である。 ただ、トライアスリートでもある川名さんはあくまでも南房総を背負って520kmのグランドフィナーレを目指す意思。
一人で走らせるわけにはいかないし、サポートカーの定員を考えてももはや私が走るしかない。 ということで、私は再びサイクルジャージに袖を通し、準備開始。
ここはもう気持ちを切り替えていこう。 520km地点を目指すのではなく、一旦日を改めて、昨日は(私としては)320kmライドを終え、今日はたったの130kmライド、と思うようにした。もはやもう感覚が狂っている。笑
午前7時過ぎ、グランドフィナーレである台湾の最南端灯台を目指し、残り約130kmのライドを川名さんとともにスタート! 高雄市内はラッシュアワー。ちょっと怖い。 さらに信号がたくさんあり、頻繁につかまる。 信号発進の度に加速しなければならず、これが地味に堪える。
とそこで、一人の同じ参加者の青年と遭遇。 彼の後をついていってみると、ちょうど良いペースだし、信号も守ってくれる。(台湾のライダーの多くは信号を守らない) 我々にとってはまさに救世主。 彼をペースメーカーとして一緒にゴールを目指そうということになった。
1回目の休憩地点のセブンイレブンに立ち寄り、そこで青年と会話。 彼は学校に通いつつ、教員もやっており、とても好青年。 一緒にゴールを目指そう、と話して、彼もそうしよう!とのこと。 実は彼も1人で390kmまで走ってきたが、心が折れかかっていたらしく、我々との出会いがやはり救いだったようである。
天気も晴れ渡り、気温も上がってきた。 20〜30km刻みで休憩を入れていく。
基本的に台湾は舗装路ではあるが、路面は結構凸凹しており、手とおしりへのダメージはかなり大きい。 もう昨日から自分のおしりは限界を超え、ズルムケ状態。 手もしびれてきているし、首も肩も背中も痛い! とにかく少しでも前に進むしかない。
途中の休憩では女性陣がマッサージをしてくれ、かなり助かった。 アイスを食べたりして身体を冷やす。
身体の痛みとは裏腹に、高雄市街を抜けてから灯台を目指すルートは海沿いを走り、景色は最高だった。 ただ、アップダウンがところどころにあり、さらに終盤は向かい風との戦いにもなってきた。
残り20kmを切る頃になると、向かい風はさらに強まり、一緒に走っていた青年はマウンテンバイク、しかもノーマルペダル!ということもあって、だいぶペースが落ちてきた。 というわけで、ここで私が風避けを買って出ることに。 彼をなるべく後ろにつけて先導していく。
思えば、自分はまだスポーツサイクルを本格的に始めて、まだ1年程度。アルミの本格的なロードバイクに乗ったのは、昨年の4月だ。 最初はみんなにちぎられ、まともに坂道も上がれなかった。 でも、いろいろな人たちと走って、教えてもらいながら、ここまで乗れるようになってきた。
だから、その人たちへの恩返し、さらに、サポートカーに乗っているメンバーたちの思いを胸に、彼を引っ張って、なんとかゴールにたどり着こうと心に誓った。 自分は正式エントリーしているわけじゃないから、ゴールにたどり着いたからと何があるというわけではない。 でも、それが私ができるせめてのことかな、と思った。
いよいよゴールの岬が見え始める。 残り数km。 ついにグランドフィナーレだ。
残り1km。彼に前に行くよう促す。 エントリーしていない自分が引っ張って彼がゴールしたのでは格好がつかないだろうし、最後は自分よりも先にゴールしてほしかった。
最後の数百mに待ち構えていたのは8%の急坂。 でも、もうゴールはそこだ。 坂の途中ではサポートしてくれたGIANTの陳さんの「加油」という応援があり、ペダルにも力が入る。 そして、午後3時過ぎ、ついに台湾最南端の灯台へゴール!
川名さんは見事に約520kmの道のりを約33時間で完走!! 私も約450kmを走りきった。(鴨川市から岐阜市相当の距離) 為せば成る。
みんな疲れているけど、もう笑顔だ。 本当にすごいことだ。 というわけで、千葉南房総単車隊の挑戦は見事に成功した。
メディアの取材などを受けると、我々は今夜の宿泊地・台中をサポートカーで目指した。 なにげに運転していた陳さんが一番たいへんだったのではないだろうか。 最南端灯台から約5時間かけて台中のホテルへ到着。
身体は疲労困憊だけど、もう一発飲まなきゃ!ってことで、メンバーで居酒屋へ繰り出す。 いやー、台湾麦酒、最高!! もう底なしのようにみんなで飲み、語り合い、笑いあった夜になった。
[WALK:-]
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いざ、出発!
高雄市内にて
ラッシュアワー iPhone 6 Plus 4.15 mm ISO32 1/1163 sec f/2.2
マッサージ最高だった☆
台南地方の豆腐の甘味。優しい味だった iPhone 6 Plus 4.15 mm ISO32 1/145 sec f/2.2
まもなくゴール!
最後の力を振り絞って!!
ちゃっかりメダルいただきました。笑 iPhone 6 Plus 4.15 mm ISO32 1/791 sec f/2.2
ゴールしましたー!!!
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