2018/02/20

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地元の叡智と情熱と行動力、そして覚悟を信じてほしい。
このような内容を日記にアップするのは良くないことだと思うし、私も躊躇するところもあるが、しかし、あえて今日は記します。


2008年のかもナビ開設から、故郷・鴨川のまちづくりに携わって10年。何度こんな気持ちを味わってきただろうか。怒りというか、裏切られたというか、あるいは虚しさというか……。

午後、今年度第3回となる「前原横渚海岸周辺の魅力づくり推進委員会」に出席した。
もはや本来の委員会設置目的からは遥かに逸脱した、観光プラットフォームの付随組織のようになってしまっている当委員会だが、今日は今年度の事業について、主に観光プラットフォームから報告があった。

地方創生の予算を引っ張ってきて行っている事業であるが、なんと、今年度1,000万円超の予算が未執行のため、3月下旬に実証事業としてグランピングを前原横渚海岸近くにあるフィッシャリーナを使ってやるのだという。
しかも、1,000万円は物品購入に限定された予算なので、テント類はまだしも、なんとキッチンカーなども購入するというのだ。来年度以降もさまざまなイベントなどでも活用できるから、国に補助金を返還するなら、使ってしまおうという、なんとも安直というか、極めて残念な、典型的なダメな地域あるある発想である。

今日はある程度厳しい意見をしなければ、と出席したわけだが、まず、欠席の委員も多く、また、特に連絡はなく来なかった委員も多く見られた。
これがもはや現状を物語っている。

会議の席上、我慢することはできず、私はバシバシと意見してしまった。

そもそもなぜグランピングなのか。
コンセプト、これをやることで来年度以降にどのようにつながっていくかのビジョンが全く見えない。
そんなことをやるなら、国に補助金を返還した方がマシだ。
こんなことを方々でやっているから、日本の地方はどんどんダメになるのだ。そして、国の財政も圧迫してしまうのだ。

委員の中には、私をはじめ、具体的な方策を早くから、しかもドキュメントにして市に提出していた。さらに、それらの計画について、個別にヒアリングを受けたこともある。
ところがそんな提案はどこへやら、実施までたった1ヶ月しかない中で、今日突然出されたグランピング。予算も1,000万円超。
委員を、そして市民をバカにするにもいい加減にしてもらいたい。

確かにグランピングは昨年度のこの委員会で海辺の活用の一案として出されていたらしいが、しかし、あくまで一案。
これだけの公金を使ってやる事業が、こんなにも安直な発想、しかも密室の中で決められ、もう実施するという流れの中で我々委員会に報告される。

数社にプロポーザルをかけたというが、それはごく限られた人だけで行われたものであり、我々委員が本来はそのプロポーザルに参加しなければならないのではないか。
あるいは実際に活用案を提案しているメンバーもいるんだし、そのプロポーザルに呼ばれていないのもおかしなことである。

ほかにもいろいろな意見を言わせてもらったが、主導する観光プラットフォームのマネージャーが窮して語ったことば。
「準備時間のない中、いろいろと考え、出ていた案を精査し、消去法で決めた。」
消去法!? もう一度言う、消去法!!!???
ここで委員からは一斉にため息が漏れ、私と同じように意見していた委員は荷物をまとめると、(「仕事がありますので」とは言っていたが、間違いなくこの状況に呆れ果てたのは明らかだった)途中で退席していった。

その方がおっしゃったことば。
「ださい」

まさにこの一言に尽きる。グランピングが「ださい」のではない。
グランピングを実施するに至った経緯、発想、理由、そして、そこに何のコンセプトもビジョンもない。
その全てが「ださい」やり方なのである。

会議の後、委員の一人がボソッと言われた。
「オレたち、なんだったんだろうね。」

おそらく今日欠席した委員の多くがその思いをもち、欠席という選択肢を選んだのだろう。

前回の会議でも申し上げたが、株式会社化された観光プラットフォームであるが、設立には100%公金が突っ込まれ、人件費も公金、3年間、事業の資金は公金によって担保される。
その間に自立できる組織にするというが、そもそも企業において基礎を創る最も大切な創業期に「人の褌で相撲を取る」ようなことをしていたら、絶対に自立できるような経営は生まれない。
そのくせ、株式会社化したことを良いことに、本来、公共事業であれば欠いてはならない、決定やコンセンサスに至るプロセスも省略されているが、元々の財源は公金であるわけだし、現組織においてはそこは絶対に省いてはならないところである。
そんな組織に公金が集中投下され、今回の突然のグランピングのような事業が決定され、実行されていくと考えたら、これはもはや観光プラットフォームだけの問題ではなく、鴨川市の危機と捉えるべきレベルかもしれない。

私は市長をサポートしたいし、市をもっともっと良くしたい。
だから、辞めろとか、破壊的なネガティブなことは言いたくない。
逆にサポートする立場として諌言はしなければならない。

会議ではっきりと申し上げた。

「今日私は断言します。観光プラットフォーム株式会社は絶対にうまくいきません」


夜はチャンネルを切り替えて、統廃合により廃校となる予定の小湊小学校の跡地利用について、地元有志で意見交換した。
ただ、やはり午後の会議の余韻は強く、そこでもいろいろと盛り上がってしまい、結局飲み過ぎてしまった。

アツすぎて、本当にごめんなさいっ!


最後に行政はじめ、関係者の方々に心からお願いしたい。
安易に市外に知恵を求める前に……。

地元の叡智と情熱と行動力、そして覚悟を信じてほしい。

地方創生は地元に骨を埋める覚悟の人間がデザインし、実行主体とならなければ絶対にうまくいかない。
これだけは間違いない。


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気持ちを落ち着かせるために立ち寄った菜な畑ロード
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鴨川はもう春
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